2012年8月6日月曜日

かろうじて単独首位

AC長野パルセイロが所属するJFLの下位カテゴリに北信越リーグという組織がある。
長野、新潟、富山、石川、福井の5県によるリーグで、
かつてはAC長野と松本山雅、
新潟の強豪ジャパンサッカーカレッジ、
そして本日の対戦相手、北陸の雄ツエーゲン金沢が激闘を繰り広げていた。

北信越リーグ時代からツエーゲン金沢は好敵手。
1年早く松本山雅と共にJFLへ昇格した。

なにしろ百万石の街。野球は一流。
サッカーに関しても次々とJリーガーで補強。
本気度高いクラブなのである。

8/4(土)は二万人チャレンジデーと称して、
昨年に退団した久保竜彦の引退セレモニーも行うという。
その対戦相手としてAC長野を選んでくれたワケだ。
光栄じゃないか。

前日から金沢入り。
せっかくなので百万石の街を堪能しようではないか。

到着時は16時過ぎ。香林坊バス停留所も夕闇に包まれようとしている。

金沢市人口46万。
隣接の野々市、内灘、津幡を含めて60万に近い規模。
石川県116万の実に半数が金沢市近郊となる。
富山市へ60km、福井市へ100km。

長野市から250km。
長野市とは集客プロモーションパートナーシップ締結している。

まさに北陸の中核を担う観光都市。

週末の夕方とあってか、
市内の中心部、片町、香林坊は外国人の姿も多く、
さすがはミシュラン3つ星観光地を感じさせる。

バス停から180度反対側にカメラを向けるとネコのまどろむ姿。
近寄ってもなかなか立ち上がる気配がなかった。

ネコの佇む一角は香林坊と金沢城の間に残る、
旧制高等学校跡、石川4高記念館。
赤レンガ造りの二階建て校舎が美しい。

館内無料で入れるみたい。日暮れ時で断念。
ブランド店や109が集積するすぐ隣にレトロな建物の違和感がいい。
さらに隣には金沢城、小高い丘に兼六園が広がる。

片町通りはこれから賑やかになりそう。
雪国らしい雁木の軒下に飲食店が並ぶ。



翌日は朝から快晴。
チェックアウト済ませた時刻は10時。
16時キックオフまでは十分な時間。

『行くとこリスト』の筆頭は主計町。
なんとなーく自転車でぶらぶら走り出す。

街中走らせて感じたのは自転車に優しくない道路。
自転車は道路交通法17条で車道が原則となっているのだが、
車道走行してる人は皆無。
金沢では歩道走行がデフォルトか?
車道の側道が狭くてデコボコだらけ。
市街地は意外に縁石の切れ目がない。
仕方なく思いっきり歩道走行するのであった。

そんな疑心暗鬼な走りをしていると、

突然繁華街から一歩入った住宅地に庭園?
『彦三緑地』
中は見事な庭園にベンチが設置されており、
いわゆる街中公園というところか。

この入り口横に看板。

目的地の主計町の一角でした。

浅野川沿いの1kmにも満たない空間だけれど、
石畳に風情ある茶屋街。
夏の夕暮れ時にはほのかな灯りに風鈴の音色が似合う街である。

川沿いから一歩入れば一間ほどの幅の路地に
ひっそりと染物店やBARが立ち並ぶ。
黒猫もお昼寝中だ。
石階段を登った場所には主計町で生まれ育った泉鏡花記念館がある。

浅野川
金沢市内には浅野川と犀川が流れる。
よく見ていただくと川遊びの親子の姿。

主計町から自転車で10分も走れば金沢駅。
近年目まぐるしい変化の金沢の玄関口。
2年後には念願の北陸新幹線開業。
駅舎が美しい。

『世界で最も美しい駅』に選ばれた『鼓門』。
背後には屋根がガラス張りの『もてなしドーム』。
まさに歴史と観光都市を表現し尽している。

鼓門下からもてなしドームを見上げる。
木と鉄とガラスの競演。
この駅舎だけでも見る価値あり。

続いて兼六園。
金沢駅から自転車で15分ほどで到着。
街のど真中に金沢城と隣接して広大な敷地を有する。

暑さが増してわずかな登り坂も難渋。
なんとしても日本三大庭園を見なければ。

兼六園入り口から通りを挟んで金沢城。
観光客は少なめ。
陽射しは暑いが時折涼しい風。

料金所を入ると剥き出しの根っこが目の高さに入る。
ここ金沢は湿度が高い土地柄。
青々とした苔と樹木でグリーンシャワー全開。


涼しげに見えても現地はキョーレツな陽射しで早くもバテ気味。



江戸時代の殿様庭園として加賀百万石の祖前田氏が造園。
第二次大戦で金沢市は戦火を逃れたため、
兼六園をはじめ市内に歴史的建造物が残っている。
あまりに広い庭のため、すべて回りきれず。

夏場の兼六園より秋。
紅葉の時期に訪れたい。

兼六園から歩いて5分。金沢城の五十間長屋。
とにかく広い。城跡内歩きは酷暑の昼間はキツいほど。
この城跡内は石川門以外はすべて復元。
かつては金沢大学キャンパスが敷地内にスッポリ収まっていた。、
移転に伴い校舎を解体し、現在も復元工事中だ。

石川門の城門は復元。門内部にはかつての面影が垣間見える。
天守閣は無く、櫓と門にこの城の特徴である白漆喰を見ることができる。
三十間長屋(武器倉)と鶴丸倉庫(武器倉)まで辿り着くことできず。

とにかく暑くて歩く元気も萎える。

城内の数少ない日陰に避難する人々。

ところ変わって
県民海浜公園。
兼六園から道一本で日本海へ。
海岸のすぐ隣の広大な浜をプールにした様子。
海にはほとんど海水浴客は居らず。

海浜公園プールは大賑わい。

プールの裏のビーチはまったく人がいない!?

これだけ暑いと海で塩だらけ砂まみれよりも
真水でクリーンに涼む方がいいのかね~。

浜から自転車10分で最終目的地の
西部緑地公園へ。
サッカー場をはじめ、野球場に総合アリーナを持つ一大スポーツ拠点だ。
二万人チャレンジデーということもあり、
キックオフ1時間前から大勢の人。

金沢市街地からクルマで30分。金沢西インター隣。
まだまだ暑い時間帯。

スタジアムへ入ると目に入ったのは!?
ん?
緑の3番?

完全アウェー気分全開に(笑)

こりゃ?某チームがわざわざ金沢までやって来て
AC長野ぶっ潰せシュピレヒコールかと思った。

ゴール裏サポーターは金沢より多いぞ!
声も相手を圧倒している。
長電バスツアーさんに聴いてみたところ、
バス2台でやって来たとのこと。

加えてびんずる踊りの前座として
長野市Toigo前ではパブリックビュー。
なんとしても勝たねば。

ゲームは前半先制点はエース宇野沢。
技ありのループシュートでネットを揺らす。
先制したなら強いのがAC長野。
怒涛の攻撃を期待した。

しかし、
ツエーゲン金沢もパスを繋いで攻めあがる。
いつの間にパスサッカーになったんだ?
と思わせるほど中盤で繋ぎ、
前線ワントップの9斉藤へ放り込む。

サイドワークよりもシンプルに中盤から縦パスを供給、
中央ではAC長野のDFの早い寄せに苦しみ、
シュートに持ち込めない。
そんな展開が続いていたのだが、
警戒していた9斉藤へのスルーパスにCB大島、川辺が対応。
大島のクリアミスを斉藤に拾われそのまま抜け出してシュート。
同点弾が決まってしまった。

追いつく展開に金沢サポーターはヒートアップ。
チャンスは決して少なくないAC長野側サポーターは後半へ望みを繋ぐ。

前半はやや緩慢とした両チームであったが、
後半も開始から下がり気味の金沢に対し、
中盤のパス回しで好機を探る動き。

MF20野澤の度重なるトラップミスに引き攣る長野サポーター。
ボランチのミスはピンチに直結する。
案の定、
カウンターを仕掛けられてCK献上。
マークが甘くなったところを決められて逆転弾を食らう。

またも中継に弱い一面を見せてしまうのか...


しかし、
攻めるAC長野、カウンターから好機を探る金沢の状態が続き、
度重なる相手CKのピンチも凌いでいくと、
右サイドの17松尾から繋いだ19向のクロス。
途中出場の13藤田がドンピシャヘッドで同点弾。
薩川采配的中なのであった。

7佐藤→9保戸田(今季初出場)
24藤井→13藤田
20野澤→17松尾

初出場の保戸田も前線へのパス供給に無難な足元さばき。
5大橋キャプテンと見分けが付かずに難渋したが、
若いだけに出場機会を増やして伸びてほしいところだ。

13藤田もこの日はサイド深くまで攻め入るなど
今までのイメージとは異なる活発な動きをしていた。
同点弾は中央から狙い済ましたヘディング。

17松尾も相変わらずチャンスを作り出す。
競り合いではフィジカルの強さが持ち味だ。
そしてゴールへの拘りが強いファイター。

この日も2失点。DFの課題は明白だ。
川辺は攻守に気持ちの入ったプレーに貢献度は高いが、
無駄なファールを招いてしまう。
後半終了間際では、9斉藤と小競り合いを見せるなど、
向こう気の強さに不安感が募ってしまう。
3大島のやらかし癖もまだ健在のようだ。

最後の砦が不安定ではこの先も安定した勝ちは難しい。
次節は前回に大惨敗を喫したHONDA FC。
ここは首位であることは忘れて、
着実に自分たちの表現したいサッカーをやりきること。

二戦連続で勝ち点3を獲得できないAC長野。
終盤は少ないホームゲームでサポーターと勝利の歓びを分かち合う。
もっと気楽に行こう。気楽に。

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