2012年8月26日日曜日

悲願の天皇杯県代表

今年こそは長野県代表が至近距離。
朝から快晴。暑くなりそう。
キックオフは炎天下の13時。
長野駅までKharmaを走らせ、
駅の構内で輪行袋に詰め込む。
10:11発の普通列車。
南松本駅到着は11時半。
満を持してアルウィンへ向かった。


日曜日の甲府行き普通列車。
案外人が乗車している。
幸いにも自転車付きで座れる席をゲット♪
外人が多いのはなぜだろ?


稲荷山駅からはノロノロで山を登る列車。
座席から見上げると運転席と客車を隔てる壁に小窓が。
立ち上がってそこから覗いてみる。
電車でGOの世界が。

姨捨駅が近づくと列車が逆戻りし始めた。
スイッチバック発動。
姨捨駅の停車時に日本三大車窓の姨捨を収める。


日本三大車窓の善光寺平。
乗客数名が停車と同時にホームへ出て撮影始める。
いい天気だもんね。


中にはノンビリとポーズ取ったりして記念撮影。
この後、車掌に早く乗れと急かされるおじさん。

聖高原から明科。
普通列車の旅はサイコーだ。
親愛なる乗客の皆さんは、
居眠りする人、ケータイに釘付けになる人、早弁し始める人、
ワイワイ世間話に興じる人、思い思いの行動が面白い。

松本駅で半分の乗客が降りてとたんに静かになる。
車窓からの松本市は炎天下。
わずか数分で南松本駅到着。
エレベータがないので自転車担いで階段上り下り。

初めて訪れる駅舎はそれぞれの土地で特徴があって興味深い。
南松本駅前は道行くクルマ、人も少なく、
ただ真夏の太陽が路面を照り付けていた。

自転車組み立て終えて時刻は11:50。
アルウィンまでは25分ほどか?
南松駅から19号へ、
19号を南下、村井下町北交差点を右折。

途中でちゃあしゅう屋の炭火チャーシュー麺を食して再び走る。

比較的渋滞もなく、アルウィンが見えてくる頃には長野ナンバーもチラホラ。
北からいくらか涼しい風を感じるが強い陽射し。

長野県サッカー選手権は入場無料。
AC長野サポーターは北側に陣取っている。
対する南面はアルティスタ東御。


到着してまもなく試合が始まる。
AC長野は白のアウェイユニフォームに身を包む。
AC長野のキックオフで始まったゲームの序盤は一進一退。
リーグ戦が終了しているアルティスタは初の決勝進出で
個々のモチベーションは高い。
次々と縦のパスから前線が活発に抜け出そうとする。

しかし、
JFL首位のAC長野。
TV中継ということもあるのだが、
ここは王者の戦いを見せてほしい。

そして開始5分。
ボールを持った相手への寄せが甘いアルティスタの陣内で
パスを受けた野澤が中央へ回りこんで右足一閃。
早速先制点をあげる。

格の違いを見せ付けるゲーム。
と思うまもなく、
アルティスタのロングフィードを大島がクリアできず、
GK諏訪のキャッチミスからこぼれたボールを走り込んだ相手FWに冷静に決められる。

なんだぁぁ...

目の前にちゃぶ台があればひっくり返したくなるドジ...
やってはならないミス。
大島は出だしから緩慢な動きで予兆はあった。
最後の砦たるセンターバックにまったく相応しくない処理。
彼はたびたび致命的なイージーミスを犯す。
このシーンが長野県全域にオンエアされていると思うと目の前が暗くなる。

加えて右サイドバック。
寺田は時に攻撃面で獅子奮迅の動きを見せるのだが、
なにせパス出しの視野が狭い。
この日も相手DFの間を抜こうとするが正面からDFに激突して転倒。
非常にお粗末で型にはまった動きでアドレナリン高まるだけ。

二人には猛省していただき、
将棋でも覚えて戦術というモノを理解してもらいたい。

そんな不安感満載のDF陣にあって、
小川の活躍は素晴らしかった。
彼は収めたボールをキープしながら自軍と相手の動きをよく見定め、
決して高さがあるわけではないがセカンドボールを悉く獲得、
安定感のある守備に加えて同点で意気上がるアルティスタに逆転弾を見舞う。

そして、小川の逆転弾から後半の大ゴール祭りに繋げるのである。

3-1で迎えた後半。
AC長野のコーナーキックショーが開幕する。
その全てがキッカー向によるものであり、
今季のAC長野を象徴するような恐るべき精度で
次々とアルティスタゴールのネットを揺らし続ける。


後半31分時点で7-1。
しかしAC長野の勢いはここからさらに加速。
残りの14分で藤田2ゴール、トドメは寺田のヘッド。
なんと、10-1まで90分間攻撃の手を一切緩めない。

19向の放ったCKは緩やかに弧を描いて15寺田が渾身のヘディング。

かつてのAC長野の守護神、海野も見送るしか為すすべなし。ネットを激しく揺らす。

試合終了のホイッスルで倒れ込むアルティスタの選手達。
これぞ王者のゲーム!
なんとも残念なのが序盤の失点。
しかし、ミスの大島も2つのゴール。
野球でもコールドゲームの得点差にも
アルティスタのゴール裏は盛んに選手に賞賛の拍手を送る。
ガチガチのどん引きサッカーでなく、
真っ向から立ち向かったアルティスタ東御。
いまや北信越リーグでは屈指の熱心なサポーターが支えている。


海野、三橋、網田。
JFL参戦と同時にAC長野を去った彼等。
4位に甘んじず、這い上がってほしい。

そしてついに...
ついに念願の天皇杯長野県代表を勝ち取ったAC長野。
これが南長野だったらなあ。の想いはあるが、
久しぶりのタイトル獲得に歓びをバクハツさせた。

優勝杯、優勝旗を受け取る大橋キャプテン、宇野沢、向、野澤、寺田。
寺田...オマエこういうときだけはちゃっかり居るのね(笑)

最優秀選手は野澤。
先制点含め2得点の活躍。

最後に平林サッカー協会会長の言葉。
これが素晴らしかった。
長野エルザ時代から8年。
パルセイロとしては初の優勝。
会長のお言葉のとおり、
J1札幌まで勝ち進み、AC長野旋風を巻き起こしてほしい。


S級ライセンスの取得のため、薩川監督不在で臨んだAC長野。
代行の小湊コーチは控えめにインタビューに答えていた。
あまりに薩さんと異なるリアクション(笑)

AC長野は一旦ノると手が付けられない怒涛の攻めを見せるが、
じっくり構えるこう着状態にトンと弱い。
北海道代表は札幌大学。
順当に行けば勝って当然?なのだが、
格上のJ1コンサドーレ札幌はそうは簡単に勝てない。
大量得点は忘れて、
一人ひとりの役割と全体戦術をさらに熟成してほしい。

相手の動きを読み、対して何をするのか?
考えるサッカーを体現し、
全国にAC長野パルセイロここにあり!
を示してほしい。

勝利のラインダンス♪ 必ず北海道で踊ってもらいたい。
来年の決勝戦はアルウィンをオレンジで染めて。
パルセイロサッカーで長野県を魅了しろ!

激戦の終わったアルウィン。何度もの「アルウィンの悲劇」を克服したね♪


もっと成長を
もっと観衆を惹き付けるプレーを

そして我々もこの素晴らしいチームを大切にしなければ。



最後の海

今朝も真っ青な空に照りつける陽射し。
休日の快晴は得した気分♪
明日は松本市なので本日はこの夏最後の海へ。


直江津海岸到着は午後4時。
海水浴客はまばら、
威勢のいい浜茶屋呼び込みのアンちゃんもいない。
泳ぐ者より眺める者が多い。
しょうがないのでしばらくBeer飲みながら海を眺める。

朝9:30に家を出たのにこの時刻。
寄り道多すぎなんだね。


今朝の躓きは三才駅。
10:44発の列車で向かうつもりが...
乗り遅れ。
次の列車まで1時間もあるとなれば、
自転車で走るしかない。

三才駅前で記念撮影の家族を尻目に出発!


ずいぶん歳の離れたカップルだな~
と思ったら駅員さんだった。
三歳児に制帽お貸ししてるのね。

なんせ乗り遅れを挽回しなきゃならない(汗)
豊野→牟礼→信濃町を爆走、
県境まで1時間半の記録達成!
そのまま一路、妙高高原駅へ向かう。

昨日の信濃毎日新聞の妙高市ひまわり畑の記事を見て、
場所も調べずここまでやってきた。
駅前の観光案内へ汗まみれで入る。

おっ!?
二人の職員さんのうちのお若い女性が対応してくれた。
カウンター越しからわざわざ出てきてくれて懇切丁寧に地図を示してくれる。
おじさん照れるな。汗臭いし。

妙高山をバックに記念撮影にも応じてくれたのだが、
さすがにブログ掲載は控えておくことにする。

それによると、
さらに日本海方面へ向かい、
国道18号からやや妙高山を駆け上る模様。

ややウキウキな気分♪でペダルも軽やか。
妙高大橋。
大きな谷間を隔てた絶景橋。



なんだかね~、好きなんだよね。橋が。
かつて会社の後輩と南信の絶景橋のど真中でクルマを止めて
その絶景を楽しんだことがあるのだが、
ついつい、
「ここから飛んだら生きてはいねーよな」
と普段より低めの声色で呟いたところ、
隣で景色を見ていた後輩が三歩後ろずさった。
以来、酒の席では必ず、
「いやー、あの橋から飛び降りるかと思った(汗)」
と心底怯える始末なのだ。

話は逸れたが、
妙高大橋を渡りまもなく農産物直売所「とまと」に辿り着く。


どうやらこの一帯はトマトの名産地。
こりゃ、トマト好きにはたまらん♪


真っ赤なトマトにトウモロコシもたっぷり!
オマケに安い!
行きの道中でトマト買うわけにいかず断念。

「とまと」を左に曲がり、
妙高山麓をイッキに駆け上がる。
MTBのガイジンさんが息を切らせて登坂を瞬時に抜き去る。
どうやら観光案内を出てから普段以上のパワーが出ている気がする。

妙高山麓は雲が多めで陽が射したり翳ったり。
越後富士の異名のまま、
長~い傾斜が延々と続く。
「お花畑プロジェクト」会場へ。
大洞原という場所には民家もチラホラ。


バックに妙高山があるはず?
残念ながら雲に覆われてしまった。
ヒマワリはいいね♪
一度でいいから観衆の代わりに
満面のヒマワリの前でライブ演ってみたい。


あ、その隣にこんなの咲いてました。


数人の観光客も訪れていた。
そろそろ枯れ始めているヒマワリも目に付く。
ヒマワリ軍vsフヨウ軍が対峙しているみたい。

国道18号へ戻り、とまとで昼ごはん。
なんと!?
この食堂が満員御礼ではないか!
どうやら近所のおじさんおばさんが大挙やってくるらしい。

さらに北上し、
松ヶ峰で国道を離れ、
家族連れで賑わうサンシャインランドを横目に
週末ゴルフを楽しむ紳士も横目に
演習中で戦車の大砲ブッ放す自衛隊も横目に
日本曹達の工場から二本木駅前の商店街?を突っ切る。

ここまで来ると陽射しが強まり、
木陰で休憩の必要を感じる。
かなりツッ走ってきた。


誰も来ない、クルマも通らない。
ただ蝉の鳴き声だけ。
田んぼの蒼さが鮮やかな昼下がり。


これほどの天気、
グズグズしちゃ居られない。
日本海まで30km。

県境からはほとんど下り坂。
二本木から新井へ入る。
市街地は信号が厄介。
平均速度25km/h狙いなのに。

新井から直江津までは西側山裾ルート。
クルマは少なく、いくらか涼しい。
見渡す限りの田んぼから北陸新幹線新駅が望める。
かなり駅舎が出来てきた。


駅舎の姿が完成に近づく頃、
この田んぼも開発の波に飲まれてしまうのか?
それにしても直江津から20kmも離れた新幹線駅って遠すぎる...

高田インター入り口からは春日山へ通じる4車線道路へ。
ここは思いっきり信号に足止めくらう(汗)

しばらく走ると、「毘」の字のノボリが多数。
そうだった、
謙信公祭なのか。今日は。

上越市の英雄、上杉謙信を祭る謙信公祭。
なんてったって小学校の校歌には必ず謙信公。
この祭りの盛り上がり方ハンパない。

今夜がメインイベントの川中島合戦かな?
イベント会場へ足を向けてみる。


すでに合戦ムード満点の祭り会場。
春日山の麓の空き地に席割りのロープ。
そう、夜に行われる川中島合戦は見物客でごった返す。

甲冑を纏った上杉軍と武田軍が入り乱れて、
川中島合戦を再現するメインイベント。
ご丁寧にナレーションが入り、
最後の一騎打ちで最高潮を迎える。

こういうのは本場川中島でやってもらわないと。


午後3時から見物客が押し寄せている。
見物人もなぜか腰に長いモノを帯びている。
その気に成り過ぎでやや恐怖を感じる。


こっちのネーちゃんはナギナタ持ってる!?
ミラで乗り付けてナギナタ担いで降りてくる姿。
クールだ...

と、
目を別の人物に向けると、
うら若いオネーちゃんが刀で人を斬る練習してる!

人斬りの素振りを終えて鞘に収め、颯爽と立ち去るカノジョ。

これが噂の歴女なのか?
それにしても恐るべき成り切り振り。
彼らはどこから見ても合戦やりに来てる。
カメラを向けたら斬られるんじゃないかと思った。


てワケで寄り道多数。
ようやく直江津海岸に辿り着く。
今年の海も最後かな...
海の想い出は楽しいことばかりだ。


帰りは直江津駅から輪行。
北長野駅の到着時は真っ暗。


今日も楽しい一日だったなあ。

明日は天皇杯アルウィン!!


2012年8月24日金曜日

青と橙

それにしても連日猛暑が続く。
月曜日から晴れの日が続くと
週末の休日は崩れるのではないかと気を揉んでしまう。

青い空に白い雲、
木々や色鮮やかな草花、
それらが織り成すカラーコントラストを見るに付け
都会では見られない風景だなと思う。

長野盆地を空撮したなら、
きっと南長野運動公園だけが
鮮やかなオレンジに浮かび上がるんだろうね。

オレンジ色の面積増やさなきゃ。


2012年8月19日日曜日

感動のPV

遠くへ出かけるにもゲリラ雨が厄介なので近場で気持ちの良い場所。

地附山公園にした(近っ)

時刻は12時。上松五差路から雲上殿へ向かう坂道で既にヘロヘロ。

雲上殿手前に四つ角があり、
直進で七曲方面、
左折で善光寺へ、
右折で地附山へ至る。

朝昼ごはん抜きの身体にはいささか苦しい登坂。
公園まで残り数百メートルの地点の日陰で休む。
地附山は南向きの低山のため陽射しは容赦ない。

戸隠へのバードラインが廃止されて久しいのだが、
名残のある路面の最終地点が地附山公園。
公園全体が山の斜面を利用しているため、
徒歩で登山がベース。
残暑厳しい夏の日に訪れる市民は少ない。

公園入り口駐車場もまばらだ。

公園に到着。まずはエナジー補給。

このバナナはメチャ美味い!二本イッキ飲み。



駐車場から10分ほどの登山で長野市を一望できる展望台に行けるのだが、
暑さとこの後のメルパルクの時間が近づいていたため断念。
オマケに遠くにカミナリの音が。
みるみる雲が湧き出てくる。

フィルムの早回しのような勢いで入道雲出現!

何をするでもなく多少の時間の景色を楽しむ。
夜ならば夜景も楽しめるはずだが夜間は閉鎖。
20数年前に地すべり発生の歴史があるから仕方ない。

パノラマ撮影の長野市東部。

まるで地中海の建築物かのような一角。宇木団地?

帰り道は軽快♪
だが、急坂過ぎて危険度も高い。

普通に散歩しただけ??
の気もするがここからメルパルクへ。

パブリックビューイングの会場だ。

5分前に着いたメルパルクイベントホールでは、
アイドルユニットZOOKの『走れパルセイロ』

800人収容のホールは7割ほど埋まっている。
関心の高さにちょっとビックリ。
やはり駅横の会場は集まるのか。
街中スタジアムの必要性を実感。

大型スクリーンに選手入場が映し出される。
全員でタオルマフラーを頭上にかざす。

ホール最後方から撮影。タオルぶん回す光景は壮観!

ゲームは宮城県七ヶ浜でソニー仙台との対戦。
今季のホームでは敗北を喫した堅守が自慢の好チーム。
映像でもピッチの荒れ具合がわかる。
短く細かいパスワークで崩すスタイルのAC長野には
荒れたピッチもアゲインストだ。

序盤から最終ラインをバッチリ固める仙台、
中盤から両サイドも効果的に使い攻めるAC長野。
やや優勢に進める展開だったのだが、
先制点は仙台。

AC長野陣内ペナルティエリアで仙台選手のハンドが
明白であったのだがレフェリーは見過ごし、
最前線に飛び込んだ仙台10番が
GK諏訪との1対1をかわして蹴り込む。
うは~。また追う展開(汗)

一瞬静まり返る会場内...

が、ここ最近は先制を許すが追いつく展開。
荒れたピッチにもメゲず、中盤で奪って素早く攻めあがる。
失点から16分後、
中央の藤井から渡ったボールに左サイド高野が抜け出し、
前に出たGKに対して落ち着いてループシュートを放つ。
これに仙台DFと右サイド寺田が並んで飛び込むが、
高野のシュートはゴールラインを越えていた。
同点!!

湧き上がるメルパルク、
ゴールのラインダンスでホールが揺れる。
まだまだ行ける!

解説の土橋アンバサダーも今日はマトモに解説。

同点のまま後半突入。
優勢に攻めるものの仙台の守備に跳ね返される。
そして、残り25分、
長野の金狼、17松尾投入!

なにかを起こしそうなこの男がまたやってくれた。

ドローの雰囲気が会場を支配し始めた80分過ぎ。
土橋アンバサダーもアウェイで負けない戦いと言い始めた頃、
相手陣内での寺田お得意のロングスローインを
アタマで後方へ流した藤田、
ボールの行方に松尾がいた。

映像では相手ゴール前の密集で見えにくいが、
一瞬のヘディングで松尾がゴール!
ついに逆転!!
この逆転弾を守りきって難敵ソニー仙台に勝利。

勝ち点3ゲットで首位をキープ。
スリルと感動を与える逆転勝利に酔うサポーター。

PV恒例のケータイ電話インタビューも会場を去る人はほとんどいない。
着実に根付いてきたなと思う。
残りのホームゲームは三つ。
見ないと損だよ。

最後に
選手インタビュー最初はMVP松尾だったのだが、
ヤンチャな茶髪の風貌に似合わず話し声はダンディ。
薩川監督もスタメンをほのめかすなど、
ますますこの男から目が離せないのである。

2012年8月15日水曜日

6年と7日

蝉のギィギィ鳴く声で目が覚めた。
もがき苦しむような羽音。
尋常ではない。

眠い目をこすりながら窓の外を見る。
厚い雲に覆われた空。
雲間から陽が射している。
いつもと変わらない朝の風景。

が、
視線を二階の窓の高さに落とすと。



6年間も暗い土の中で過ごし、
煌びやかな世の中で最後の7日間。
網に捕まらなくても長い命ではない。
蝉が地上で鳴くのは雄だけ。
雄は最後の7日間を
雌へのラブコールとして必死に鳴き続ける。

彼には為すすべがないのだろう。
左右の羽先を見事にキャッチされている。
この巣の住人は見当たらない。
ジッと獲物の動きが止まるまでなりを潜めているのか。



せめてもの救いは仕事から帰ると
彼の姿が見えなかったことだ。

きっと仲間が助けてくれたのさ。

2012年8月14日火曜日

雨あがる


昨晩からのシトシト雨もあがり、
午後からは気持ちの良い晴れ間。
公園の芝も瞬く間に水分を失った。
木陰の休息は癒される。

雨あがる。

そんなタイトルの映画があったな。
旅の途中、大雨で川を渡れず、
束の間の雨宿りが長宿りになった浪人夫婦の物語。
腕利き浪人の亭主は同じく雨で足止めされた人々を癒すため、
街へ出ては賭け試合で稼いだ銭で食料を振舞う。
ふと見かけた果し合いの仲裁に入った亭主の腕前を
土地の殿様が見初めて剣術指南を依頼する。
しかし、賭け試合で小銭を稼いでいたことが判明、
殿様の家臣全員に詰問され、剣術指南役は反故になってしまう。
そこで浪人の妻が大反対の家臣に向かって言う。
亭主がなぜ禁止されている賭け試合を行ったのか、
アタマの固いあなた方にはわかるまいと。

旅先で得た就職を棒に振った浪人夫婦。
腕は立つが気が弱くて人の良い浪人。
亭主は妻に申し訳ない気持ちでダメおやじぶりを見せる。
妻はそんな亭主を誇りに思い、
晴れやかな気分で雨上がりの街道を再び旅に出る。

雨あがりの爽やかに晴れた峠道を先行く浪人。
後姿を笑顔で追う妻。
ラストシーンでは思い直した殿様が単騎浪人を追いかける。

エンドロールから先を想像させる、雨あがりが印象的な映画だ。





長い雨もいつか晴れるときがくる。
一週間でたった一日でも晴れたら
それでいいじゃないか。

人生も同じだね。