2012年11月16日金曜日

去るもの来るもの


ヌーヴォとは「新しい」の意。

例年ボジョレー解禁と騒がれていてもどこ吹く風。
コンビニのレジ横に華々しく陳列されているボジョレーヌーボ。
普段になく目を留めてしまった。

仲間。未体験の味。音楽。
人生に新しい『モノ』が加わるなら大歓迎だ。
なぜならどうにもならない別れがあるから。


この11月はすでに別れが三つ。
職場の仲間。
わずか1年の在籍で別れを告げることとなった、
AC長野の佐田聡太郎。
そして
AC長野を初めて南長野で目撃したときの指揮官、薩川了洋。

チームがひとつになる。
そのために指揮官と選手達の信頼関係は最も重要だ。
選手の手本であり、厳しい助言者であり、
あるときは相手チームを過剰に意識した発言で鼓舞する。
昨年、JFL初参戦で2位。
順位が上にも関わらず、下位の2クラブがJ2へ昇格。
実力で勝ちながら昇格に必要なスタジアムがない。
無念だったろう。

『みんなはJのサポーターだ!』

実現こそできなかったが、
最終戦を滋賀守山で終えて長野へ戻った薩川さんは、
Jリーグ昇格圏内である2位を実力で勝ち取り、
トイーゴでの夜の報告会でそう語ったのだった。


あれから1年。

今年も2位を維持していながらも昇格の可能性は無い。
実力が伴っていながら上がれないジレンマ。
指揮官は眼前の対戦相手以上に
目に見えないプレッシャーとジレンマと闘ってきた。
薩川さんと選手のジレンマを十分にわかっているサポーターも
無残な負けにも激励の声を上げ続けてきた。

そして今週日曜日はきっと南長野がひとつになる。
選手と指揮官、応援し続けるサポーター。
去る者、残る者。
この別れが意味のある別れであるために。

爺さんも婆さんも、
ボクもお嬢ちゃんも、
おっさんもおばちゃんも、
俺もオマエも、

薩川さんの最後の雄姿を見てくれ。
薩川さんが5年間で撒いた種が
来年の開幕戦に大輪の花となるように。
新しいAC長野の姿を。


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