2012年3月19日月曜日

雨のニッパツ三ツ沢球技場

厳しいゲームを制したのは、
AC長野パルセイロ。


雨の中劣勢にも声を枯らして応援の
サポーターも勝ち点を持ち帰ることができた。




3/18(日)13時キックオフとともに
小雨がニッパツ三ツ沢を覆う。
メインスタンド上段からの
ランドマークタワーが次第に霞んでいく。
横浜とは思えない寒さ。


ここ、ニッパツ三ツ沢球技場は、
横浜駅から2km。
小高い丘の上の三ツ沢公園にある。
J2横浜FCのホームスタジアムなのだ。

そして、この日の相手は
昨年の地域決勝大会の優勝者、
横浜スポーツ&カルチャークラブ。
一年四ヶ月前にAC長野が昇格を
決定付けた地域決勝最終日の相手だ。

AC長野に1年遅れて
JFLに参入した、YSCC。
この日が記念すべき
JFL昇格ホーム第一戦目だったのだ。

高さはないが、
ピッチを広く使い、
短いパスと強靭なフィジカルで
手堅く、しかし貪欲に相手ゴールに迫る。

16ヶ月前のゲームで
そんな印象を強く与えた
若さ溢れるチームだ。

 地域決勝大会ではYSCCとはドロー、
しかしPK戦では負けている。
YSCCは、
ゲームに勝利していながら、
涙を呑むという
忘れることのできない
屈辱を喫していたのである。

そしてこの日、
JFLの舞台で彼らのハツラツとした
プレーを見ることができる喜びと、
強敵の出現に恐れを抱く、
微妙な感情の元、
三ツ沢を訪れたのであった。


惜しくもYSCCのホーム開幕戦は敗北。
二戦二敗でいまだ勝ち点を獲得できず。
AC長野は試合開始早々に
大橋のロングフィードから
宇野沢が相手DFとGKをうまくかわして先制。
早い時間の得点に
ワンサイドゲームをも感じさせたが、
ここからのYSCCが素晴らしかった。

素早い寄せと
奪った後の切替えの速さ。
スピードのある攻守で
AC長野は左サイドからの攻めをことごとく封じられ、
中盤の要である、
大橋、佐藤はパスの出しどころに迷う場面が多く、
苦し紛れに出したパスを奪われる。

サイドへ追い込む戦術を徹底して
展開された長野は個人技でも
まったく遜色の無いYSCCに
自陣に押し込まれる流れが続くのであった。


前半に追加点のほしい長野には、
厳しい試練が26分に訪れる。
カウンターから左に展開され、
SB佐田を振り切って蹴りこんだボールは、
再三のピンチを好セーブで得点を与えなかった

GK諏訪の右横を抜けてネットに突き刺さった。

引き続きセカンドボールを
支配され続けるAC長野にサポーターから
『シュート打て!』
の厳しいコールが。

そんな光景を見つめながら、
新戦力がイマイチフィットしていないなあ、
と感じてしまうのであった。

後半は体力消耗で脚が止まったYSCCだが、
AC長野の中盤に対しては積極的に
仕掛けてボールを奪うシーンもあったのだが、
対する長野は無限の体力か?
と思わせるフィジカルでボールが回り出す。

決定機も数度あったが、
ホーム開幕で勝ち点をなんとしても
ほしいYSCCも必死に防戦。

取っては取り返し、
奪われては奪い返す。
そんな展開が前半から続き、
見る者にはスリルに満ちた試合だったが、
ドローやむなしのムードが漂う
後半終了間際に劇的瞬間が演じられる。

スタメン起用の佐藤から
後半途中に交代した野澤。
コーナーキックから頭で決めた。
決して高さのある選手ではないが、
後のインタビューで
「ピッチに立った瞬間、なんとしても得点するんだ
という気持ちがみんなから伝わってきた」
と答えている。

バス2台で駆けつけたサポーター、
苦しみ抜いて自分達のサッカーが
できずにもがいていた選手達。
いくつもの想いを背負い、
ギリギリの場面で決めた野澤。

着実にJFLの舞台で
勝負強さを身に着ける選手達に
力強さを感じた。

YSCCの選手達も最後まで走りきった。
JFLの厳しさを実感する一方で
決して内容で負けてないという
自信も確信したのではないだろうか。



最後に、
対戦相手YSCCを最もよく知る男。
SB寺田洋介(YSCCよりAC長野へ移籍)
南長野での開幕戦で先制点を挙げ、
このゲームでも鋭いミドルを放ち、 
昨年より一回り成長した姿を
サポーターに印象付けてくれた。

次回のYSCC戦はホーム南長野。
先輩としてさらに成長した姿を
見せてくれることを願うのである。

それにしても寒かった。
今年の3月の天気は変だぞ(汗)

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